造影剤について
造影剤について
一般に造影剤とは、画像診断の診断能を向上させるために用いる薬剤全体を意味します。造影剤は大きく、静脈や動脈などの血管系に注射薬として用いる薬剤と、消化管や胆管などの管腔臓器、目的とする臓器に対して経口摂取や内視鏡などにより直接投与する薬剤に分けられます。
主にCT検査、MRI検査などで用いられる造影剤は静脈注射で用いられ、血管造影検査ではカテーテルを用いて直接動脈内(一部静脈)に用いられます。また、胃や大腸のバリウム検査など消化管や胆道系の造影検査などのように、経口的、経内視鏡的、経肛門的など、目的とする臓器に対して直接用いられることもあります。
一方、造影MRI検査で通常用いられる造影剤は、金属の一種であるガドリニウム(Gd)を含んだ製剤で、静脈注射により使用されるものです。
肝臓MRI検査においては、鉄分を含んだ造影剤を使用する場合があります。
ヨード造影剤の場合と同様に、過去にMR造影剤に対するアレルギーのある方や気管支喘息の既往のある方では、副作用の出現する頻度が高いため、原則的には用いることができません。
造影剤の副作用は、大部分が発疹やじんま疹、かゆみなどの軽い皮膚症状ですが、他の薬剤と場合と同様に、時にショックやアナフィラキシー様反応などの重い症状を認める場合があります。
副作用症状のほとんどが、使用後ごく短時間の内に出現しますが、まれに1~2時間後から数日後にかけて遅れて出現する場合があります(遅発性副作用)。